これこそがデジタル時代のマネジメント

図書館から「マネジメント」と言う本を借りてきました。著者は遠藤功さんという方で出版が2021年の12月です。

マネジメントの語源

マネジメント」の語源は「操縦する」ー「手綱さばき」ー「どうにかする」となってきたのだそうです。「manage to ~」は「なんとか~する」として使うようです。

仕事の場面に「マネジメント」を持ち込んだのがテイラーと言う人で「科学的管理法=Scientific management」として「management」が持ち込まれたのが20世紀初頭。ちょうど、企業が隆盛を極めだすころに登場した考えで、テイラーは客観的に管理できるような手法を提唱しました。

ここにおいて「マネジメント」と言う語彙は、概念として「管理」と言うニュアンスが定着したと言えそうです。かつ、テイラーの「管理」は、一切の無駄の排除であってと組合側からの反発もあり、「生産」と言う立場からすれば「最適化」という概念に落ち着いて行ったとされています。

最適化とは?

最適化」を辞書で調べると「defrag」や「optimaization(適正化)」が該当しそうですので、やはり、「management」ではない気もします。

この本では「マネジメント」は「管理」ではなく「最適化」だと断言していますが、気持ちは分かるものの飛躍があるようにも思えます。

やはり、「なんとか~する」だと「セルフマネジメント」は「」に該当するものが見当たらくなるので、やはり「マネジメント」は「管理」として置く以外になさそうです。

ネットで調べてみると「マネジメント」は「成果を上げるための方策・手段」で、「マネージャー」は「成果に対する責任者」のように説明されている記事がありました。

セルフマネジメントの原則は「2S=整理整頓」

で、「セルフマネジメント」は熟語的には「自己管理」となるわけですが、「自己目標への最適方策」のような、「より良い自分」なしに、いきなり「管理」が出てくると少し抑制的な気になります。

著書の35ページの囲みに「SNSやweb動画に時間が奪われていることを減らすこと」がセルフマネジメントの第一歩というのが「なるほど」と思いました。

そして、「セルフマネジメント」の原則は「2S=整理整頓」が原則になるとのことで、これはすなわちワードクラフトの提唱する「頓活」に通じる需要なポイントになります。

それを「ルーチン」にしていくことが「セルフマネジメント」に繋がっていくわけです。つまり「日常の」のことです。

ちなみに「ルーチン」とは「決まった手順」「お決まりの所作」「日課」のことですから文書管理も職務として日課にすることが肝心です。

何をマネジメントするのか

第4章「何をマネジメントするのか」には、「仕事の優先度を見える化する」とか「職務を色分けする」「仕事のプロセスを疑う」などは、ワードクラフトの文書管理の源流にある「職務手順書(JP=Job Procedure)」を明文化する中で自ずから定まってくるはずだと考えています。

欧米が、なぜ「文書主義」なのかと言うとこのあたりに原点があるということです。

デジタル時代のマネジメント

第5章では「デジタル時代のマネジメント」ですが、主としてはセルフマネジメントを中心に心構えが書かれていますが、ポイントは不要な階層、不要な人材、不要な職務があぶりだされ切り捨てられていくことになると思います。

そのためには「終身雇用」は無形化し、単年度契約かあるいは複数年契約になり、成果が明確に求められるようになっていくのが「Job型雇用」の到達点になるわけです。

同時に代替可能な職務は、外注化(アウトソーシング)され定期昇給しなければならない人材から切り離されていきます。

ドラッガーのマネジメント

そもそもドラッカーが使った「マネジメント」と言う言葉は、そもそもは「従来の全体主義的な組織の手法を改め、自立した組織を論じ、前書きにおいて『成果をあげる責任あるマネジメントこそ全体主義に代わるものであり、われわれを全体主義から守る唯一の手立てである』」としています。

ドラッカー自体がナチスから逃れてきた背景があるからなのかは不明ですがwikiでは「全体主義」と言う言葉が使われていますが、20世紀初頭の巨大企業にも共通する「専制」的な経営が少なからずあったわけで、「反ユダヤ主義の人種差別主義者のヘンリー・フォードが指揮を取ったことでも知られる」とのことで、これはユダヤ人のドラッカーの本意じゃなかったかもしれません。

ドラッカーの思想は、組織や企業経営の分野にとどまらず、個人のプロフェッショナル成長の分野にも及んでいた。

いわゆるナレッジワーカーが21世紀のビジネス環境で生き残り、成功するためには、「自己の長所(強み)」や「自分がいつ変化すべきか」を知ること、そして、「自分が成長できない環境から迅速に抜け出すこと」を勧めていた。

新しい挑戦こそが、プロフェッショナルの成功に貢献すると主張していた

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC

これこそが、デジタル時代のセルフマネジメントじゃないでしょうか。