日経サイエンスで見つけた「エレベータトーク」

「日経サイエンス」2021年9月号の冒頭の「Front Runner」というコーナーで「挑む」として「星野歩子」さんが掲載されています。

星野歩子さん

研究は「エクソソーム」という血中の微粒子を使ってがんの転移を解明することだそうです。

エクソソーム」については「驚異のメッセージカプセル「エクソソーム」と言うNHKの記事が分かりやすかもしれません。ようは、細胞間のメッセージのやり取りをしている微小物質だそうで、人間の体中には100兆個あるのだそうです。

「癌」は、そこで発生するものを「原発癌」といい、そこから他所に移動するものを「転移癌」と呼ぶのだそうで、乳がんの場合だと原発癌を治療すれば5年生存率は90%以上なのに、転移してしまうと30%に下がってしまうそうです。

だから、転移をキャッチして未然に対策を取れば、生存率の低くなる転移癌の発生を抑えることができそうです。

その転移を「エクソソーム」が介在していることを突き止め、Nature誌に投稿し、2021年6月時点で参照回数が2500回を超える画期的発見となっている研究をしているのが「星野歩子」さんです。

ここで書こうとしていることは「エクソソーム」についてのことではなく、星野さんがアメリカで研究生活をしている間に痛感したいくつかのことの一つとして「エレベータートーク」を挙げています。

一般的に、「エレベータートーク」と言うとビジネス用語で、エレベーターで乗り合わせた投資家とか上司に、目的階に付く前に売り込みをするトークのことになります。

研究者として「輝く女性研究者賞」の理事長賞を受賞した科学者が、なぜに「エレベータートーク」なのと思うところがありましたが、アメリカでは科学者と言えども自分を売り込まなければならないようで、数十秒で自分の研究している内容を相手に伝え、いかに自分の研究が素晴らしいかを売り込まなければチャンスをつかめないようです。

8年以上、アメリカで研究をして帰国。現在は東工大で准教授をしており、学生にも身に付けるべきと言っている。

DX」やれば国際化が達成できるわけではなく、教育の在り方、マインドの持ち方などから国際化に取り込んでいかなければ、これからの社会で国際的な潮流に乗っていくことは難しいのかもしれません。

エレベータトークで忘れてはいけないこと

エレベータという狭い空間はもとより、忘れてはならないことは「口臭」「体臭」です。

いくらいいトークであっても、口臭や体臭がするようでは、トークの内容とは全く違う次元で嫌気されてしまうのはもったいないことです。

世の中には「口臭チェッカー」という機械を売っているようですが、amazonの評判を見る限り芳しくありません。お金をかけない方法もネットにありましたので簡便な方法をピックアップします。

①コップに息を入れてふたをして3秒くらいしてからコップの中の匂いをチェックする方法
②片方の手首を舌全体で舐め、乾いてから舐めたほうと舐めなかったほうの手首の匂いをチェックする方法

口臭がするようだったら仁丹舐めるか歯医者に行くかするべきでしょう。口臭でチャンスを逃すのはもったいないですから。

腋臭は治すのに手術が必要だったりするようですから、ロート製薬から出している「リフレア」というクリームを腋に塗っておけば問題をクリアできますが、それだけではなく、家族や同僚に腋の臭いをかいでもらって確認するくらいの気構えは必要でしょう。

1分で何文字しゃべるか

ネットで調べると「1分で300文字」と出てきます。3分なら900文字。

異業種交流会などで自己紹介するのも、大方1分から3分になると思います。

このトークで聞く人を笑わせ、なるほどと思わせ、ちゃっかり自分のサービスを売り込まなければならないわけですから、訓練以外に方法はありません。

1分トークと3分トークの原稿を書き、繰り返し鏡を前に練習をし、同僚や家族を前にして何回も何回も練習をしておく必要があります。

イラストAC

それと、落語が参考になるようです。落語は「マクラ」「本題」「オチ」という構成になっているようです。人を引き込むためには自慢はしないこと、むしろ、どういう失敗から立ち上がって、こういうサービス考え付いた というような、共感を得られやすい展開を構想しておくことが、相手の印象に残る話し方になるようです。