0303.「頓活」で使う用語の整理
文書フォルダを管理する上で種分けする必要があります。
文書種別
「法定文書(L)」か「それ以外(つまり「一般文書(G)」)」かの分別をする。
法定文書には厳密な保存期間の管理が必要になる。主としては人事情報や税務経理関連の情報に関する文書が主体となり、関わる部署は限定されている。
文書類型
定例的に発生する「定例型(T)」、常時使用する「常用型(M)」、案件ごとの「案件型(P)」
そして組織的に共用する「共用型(S)」。共用するかは、類型に付随する項目となります。
文書の蓄積と共用がうまくいくことを文書管理の主眼としたいと思っています。「知財」と言う観点からすると、蓄積と共用は不可欠な要素となります。
年度形式
定例型に関しては「会計年度」か「暦年度」の指定が必要になりますが、一部には「暦年度」のものがあるので、どちらであっても選べるようにしてある必要があります。
保存期間
「保存期間」に関しては多くの組織には「文書保存規定」というのがあると思います。法律で保存期間が定められている文書もありますので、文書種別で「法定」として場合は、所定の保存年数は保持しなければなりません。
これは媒体に関係が無く、同一の扱いになります。
「一般文書」においては、それぞれの組織で決めることになります。
「頓活」では、不活性文書、つまり、書庫で所定の年数格納している期間を「書庫保存」としています。執務室に置いてある期間を「事務室保存」として区分けをしています。
この両方を合わせた期間を「保存期間」と称し、検索が可能で、いつでも使える状態になっていると同時に、保存期間を経過した文書フォルダは速やかに廃棄していくことが文書管理の要諦になります。
保有、保管、保存について各所で各種のことが言われていますが、厳密な使用上の指定はありません。
「頓活」では、保存期間 = 事務室保存 + 書庫保存としています。
事務室保存の基本は「活性文書」で、「書庫保存」の基本は「不活性文書」になります。両方の期間を合わせて「保存期間」とします。
書庫保存する必要なない文書は年度末に廃棄していきます。
保存期間で注意しなければならないのが「永久保存」です。
規則類は、「常用」になるので保存期間はありません。
免許、資格類も「常用」になります。
資産、権利に関する書類は「永久保存」になります。
訴訟に関する関連書類は「永久保存」になります。
歴史的価値を有する文書は「永久保存」になります。
「永久保存」文書に関しては、保存場所を集約して別置きするぐらいの配慮が必要と思います。
これは、ある事業所のケースですが約5万冊の文書フォルダのうち、約3割が「永久保存」になっていますが、保存ルールが曖昧だと、どうしても廃棄をためらうことになりかねず、おのずから「永久保存」が増えることになりかねません。
「永久保存」に関しては厳密なルールを適用するべきで、ルール適用外の最長保存期間は「30年」にすることを推奨しています。
ちなみに「永久保存」は、管理上「99年」とします。
組織階層と職務による分類
組織は「階層」によって構成されています。「階層」は、第1~第3組織の3階層と限定しています。
例えば、「部」としての職務は「01xxxx」で定義をします。「課」は「xx01xx」、「係」は「xxxx01」で定義することとなります。つまり、1つの部には最大99の課、1つの課には最大99の係として組織を階層管理しますが、とはいえ、現状の組織コードを最大限有効に活用します。
組織は「職務=JOB」で機能を全うしています。かつては奈良平安時代の「分掌」などと言う死後も使われていましたが、「ジョブ型雇用」とか「ジョブ・ディスクリプション(JD)」のような流行り言葉が示すように、「頓活」では「職務」と言う言葉を使います。
ネットで調べると「業務分掌」とか「職務分掌」のような曖昧な言葉が躍ります。語源を追ってみると「業」はインドが発祥で難しくとらえることもできますが平易に「行為」として捉えることもできるようです。「職」のほうは「受け持つ職務」として使われていた時代もあるようで、あえて分けるなら、組織単位で担っている役割が「業務」で、それを細分化した役割の一つを「職務」として捉えたいと思っています。
「職務」と「組織」は常々見直すことは、組織の効率や競争優位においてとても重要なことと考えています。
種別類型コードと名称
ファイリングで言う「ツミアゲ」「ワリツケ」は、主観的要素が介入するので推奨していません。同じ理由で「大中小分類」のような分類も主観が入るので推奨していません。
こられの種別類型や保存期間、職務をコード化することで客観的に分類することが可能になります。客観的に分類できるということは、特段の専門知識が無くても、誰がやっても同じ分類になり、分類が拡散しなくて済むということです。
例として「一般(G)」で「案件(P)」、事務室保存1年で書庫保存6年として、組織コードと職務コードが「01020304」の「営業企画」とすると、
種別類型コード:GP07-010203-04
種別類型名 :一般案件営業企画(7年保存)-「提案書」
というような具合になります。
ソフトにするなら
ソフトにするならこんな感じになります。
- 発生原因
作成したか、よそから受け取ったかの識別をする - 登録者
ログインした人材の名前を表示するが入力、もしくはプルダウンから組織内の人材を選ぶことも可 - 文書種別
法定文書かそれ以外かの識別。
デフォルトは「一般」文書 - 共用
共用して活用すべき文書にはチェックを入れる
共用一覧に日付降順で閲覧が可能になる - 類型
定例(T):年度と連動して期首に自動生成され、期末に自動完結する
常用(M):規定類、設計図書、仕様書、作業標準書、マニュアル類、取扱説明書など
案件(P):案件ごとに発生する文書 - 年度種別
暦年で処理するもの以外は会計年度にしておくが年度に連動しているのは定例型のみ - 発生方法
発生方法が有効なのは定例型のみ
自動になっていれば年度期首の1か月前に当該文書ファイルの新年度分を自動作成する - 発生日
定例型は年度期首
それ以外は、基本は作成日がデフォルト - 発生年度
作成日を基準にして年度を表示する - 暦
発生年度の暦を指定する
デフォルトは洋暦 - 保存期間
保存規定に準拠しなければならない
原則として最大を30年とする - 種別類型コード
文書種別と類型と保存年数を設定することで組織コードと職コードを付加して自動生成する
GP07010203-04 を例に挙げるならば
接頭詞は「文書種別」と「類型」:GP ならば一般文書で案件型ということ
07:保存期間が7年
010203:部-課-係 の組織コード
04:職務コード - 種別類型名
種別類型名は自動生成される
第1組織コードの省略形を使用するが第2、第3組織名は省略して表示する - 執務室保存期間
原則は1年
起算は該当年の翌年度期首から数える
⑪保存期間内の年数を指定(入力)できる - 完結日
定例型は発生が「自動」であるなら、作成年度の期末が原則となる
手動の場合は、完結した時点で「完結日」をセットする - 書庫移管日
完結日を基準に起算日(翌年度期首)に執務室保存期間を経過した翌年度期首が移管日となる - 廃棄日
起算日を基準にして⑪保存期間を経過した翌年度期首が廃棄日になる