03.「頓活」の説明
「理(ことわり)」は中国思想における重要な概念で「事物の条理法則」を意味する重要な文字です。
「頓」という漢字は土佐日記、蜻蛉日記、舞姫などに使われている意味では「にわかに」というニュアンスになります。
ワードクラフトでは「整理整頓」を「条理法則に従って速やかに整えること」と解釈しています。
「頓活」は、「整理整頓を日常の企業活動の一環として行う」ことを目指すキーワードとして位置付けています。
日々発生する文書の量は増大する一方です。電子化をすれば、確かに見た目の文書量を減らすことは可能です。トップダウンで紙文書を廃止し、電子化文書に移行しようとしている企業も少なくありません。
媒体が電子文書であれ、紙文書であれ、自然発生的に「管理」することができるわけではありません。
紙媒体であれば場所を専有されることを体感で感知することができますが、電子化されればストレージの限り(中には無制限もある)増殖していくことは自明です。
そうなればむしろ探すのに手間もかかりそうな気がします。
多くの文書管理システムは「紙文書も電子文書もシームレスに管理」という言葉が目につきます。
「シームレス」を調べると「それぞれの違いを意識せずに利用や管理ができる」と言う意味だそうで、ベンチマーク調査をしたわけでもないので、どのようにシームレスなのか、それをどのように管理しているのかについては論評することはできません。
いずれにせよ、ワードクラフトの文書管理の考え方は、「遅滞なく速やかに企業文書を所定の場所に整理整頓する日常の活動」を短く詰めて「頓活」と命名しているがごとくに、日々発生する文書を、整理整頓する日々の活動を前提としています。
「日々の活動」といえば、なんだか簡単そうですが、違う言い方をすると「習慣」と言うことになります。「習慣」は、嫌な言葉であるかもしれませんが「しつけ」に大きく依存します。
ワードクラフトが提唱している「職務手順書(Job Precedure)」に明確に記載してあれば、「やる」「やらない」は職務担当者の意志の問題ではなく「義務」になります。
ただし、効率や能率を求める民間企業であれば、職務義務として上席が指導することもできますが、効率や能率を求めない官公庁においては、部下との軋轢は昇進にも影響するので、なかなか難しいことになることが多いですので、こういう職場ではコンサルタントの出番にするべきと言えそうです。